ペットの手元供養とは?
メリットと注意点、流れについて解説

ペットの手元供養とは?メリットと注意点、流れについて解説

ペットの手元供養は、愛するペットとの絆を大切にし、心の安らぎを得る方法として注目されています。

本記事では、手元供養の考え方やメリット、注意点などをわかりやすく解説します。

​はじめて手元供養を考える方にも安心して取り組めるよう、具体的な情報をお届けします。

ペットの手元供養とは?

まずは、ペットの手元供養の基本について解説していきます。

  • 手元供養の基本的な考え方
  • ペット供養における手元供養の特徴
  • どのような人に向いているか

手元供養の基本的な考え方

「手元供養」とは、火葬後の遺骨を納骨せず、自宅で保管し供養する方法です。

遺骨を骨壺やアクセサリーなどにおさめて安置したり身に着けたりすることで、日常の中でペットと心のつながりを持ち続けられます。

納骨堂や霊園と違い、いつでも手を合わせられる点が魅力です。

ペット供養における手元供養の特徴

ペット用の手元供養は一般的な人間の供養より自由度が高く、小型の仏具やメモリアルグッズが多く展開・販売されています。

家族の気持ちを大切にした、柔軟な供養が可能です。

どのような人に向いているか

ペットの手元供養がおすすめの人には、下記の特徴があります。

  • ペットロスで気持ちの整理がついていない
  • コンパクトな家に住んでいる
  • 外出がむずかしい高齢者

手元供養を選べば、ペットとの思い出を大切にしながら、無理のない形で供養できます。

ペットの手元供養のメリットと注意点

ペットの手元供養にはメリットがありますが、注意点も存在します。

それぞれの内容を把握したうえで、手元供養を選択するかどうかを判断するとよいでしょう。

  • ペットの手元供養のメリット
  • ペットの手元供養の注意点

ペットの手元供養のメリット

ペットの手元供養のメリットには、下記の3つがあります。

  • 好きなときに供養できる
  • ペットロスの緩和につながる
  • ペットとの思い出を振り返りやすい

ペットの手元供養の最大のメリットは、いつでも好きなときに供養できる点です。

自宅に遺骨やメモリアルグッズを置くことで、ペット霊園などに足を運ぶ必要がなくなります。

また、ペットの遺骨が側にあることで安心感につながり、気持ちを落ち着ける拠り所となります。

ペットロス状態で悲しんでいる方の心のケアに有効です。

ペットの遺骨が入っている遺骨供養品を見るたびに、ペットとの思い出がよみがえります。

ペットをこの先も忘れたくないと考えている方は、手元供養を検討してみましょう。

ペットの手元供養の注意点

ペットの手元供養の注意点は、下記の2つです。

  • カビに注意する
  • 置き場所に気をつける

遺骨を自宅で長期間安置するには、湿気と日光の対策が非常に重要です。

遺骨は湿気を吸収しやすく、カビや劣化の原因となるため、専用の除湿剤を一緒に入れることが推奨されます。

置き場所としては、直射日光が当たらず、温度変化の少ない場所が最適です。

リビングの棚や寝室など、日常的に目に入り、手を合わせやすい場所に安置するとよいでしょう。

ペットの手元供養の流れ

一般的なペットの手元供養の流れはこちらです。

  • 1.火葬の手配
  • 2.遺骨の受け取りと保管場所の決定
  • 3.供養の開始

それぞれの手順について、順番に見ていきましょう。

1.火葬の手配

まず、ペットが亡くなったあとは、火葬の手配が必要です。

動物専門の火葬業者やペット霊園に依頼するのが一般的です。

業者によって対応できるペットの種類やサイズが異なるため、事前に確認しておきましょう。

火葬の種類には、合同火葬と個別火葬の2種類があります。

合同火葬を選択すると、ほかのペットと一緒に火葬されるため、遺骨を個別に受け取ることはできません。

一方で、費用はおさえられる傾向にあります。

個別火葬は名称どおり、1体ずつ火葬する方法です。

遺骨を確実に手元に残したい場合には、個別火葬を選ぶようにしましょう。

火葬後には、骨壺や覆袋に納められた状態で遺骨を返してもらえます。

火葬プランによっては、火葬の立ち合い後に骨上げができるケースもあります。

最期の別れを丁寧におこないたい方は、立ち会い火葬を選ぶとよいでしょう。

また、出張火葬車を使った自宅近くでの火葬サービスを提供している業者もあります。

外出がむずかしい高齢者や、小さな子どもがいる家庭も利用しやすいです。

2.遺骨の受け取りと保管場所の決定

個別火葬後、ペットの遺骨を受け取ります。

骨壺のサイズやデザインを選べるケースもあるため、自宅での保管スペースや雰囲気に合わせて選ぶとよいでしょう。

さらに、近年ではコンパクトなミニ仏壇や、インテリアに溶け込むデザインのメモリアルボックスも人気です。

住環境に応じて、ペットとの思い出を大切にできる空間づくりを考えてみましょう。

3.供養の開始

遺骨の保管準備が整ったら、供養をはじめます。

ペットの手元供養は自由度が高く、特別な決まりはありません。

ミニ仏壇を設置し、お水やお花、線香を供える形が一般的です。

また、遺骨の一部をペンダントやリングなどの遺骨アクセサリーに加工し、常に身に着ける供養方法もあります。

ペット手元供養で使われる代表的な手元供養品と選び方

ペットの手元供養品で使われるのは、おもに下記の3種類があります。

  • 骨壺
  • 仏壇
  • 遺骨アクセサリー

それぞれの特徴と選び方について解説していきます。

骨壺

骨壺はペットの遺骨を保管するために使われる器で、おもに陶器製ガラス製、金属製などが用いられます。

ペットの大きさに応じてサイズを選びます。

特に小型犬や猫、小動物向けには、コンパクトで可愛らしいデザインの小型骨壺が人気です。

近年ではシンプルな白い陶器だけでなく、花柄やパステルカラー、肉球模様などペットらしさを表現したデザインの骨壺が多く登場しています。

さらに、湿気やカビ対策としてパッキン付きの密閉構造になっているものや、消臭効果のあるタイプもあります。

蓋がしっかり閉まり、倒れにくい安定感のある骨壺を選ぶこともポイントです。

仏壇

仏壇は、ミニ仏壇やペット用メモリアルボックスとして販売されているものがおすすめです。

幅30cm程度のものが多く、リビングや寝室の棚にも自然に置けるサイズ感です。

木製やアクリル製、金属製などがあり、扉付きのタイプを選べば見た目を隠せるので、生活感に配慮したい方にも好まれます。

ペットの毛色や性格、思い出に合わせて選ぶとよいでしょう。

遺骨アクセサリー

近年、ペット供養の一環として注目されているのが遺骨アクセサリーです。

ペットの遺骨のごく一部を取り出し、ネックレスやペンダントなどのアクセサリーに封入する方法で「メモリアルジュエリー」とも呼ばれます。

素材はステンレスやシルバー、チタンなどがあり、金属アレルギー対応や防水仕様のものも多いです。

またデザインのバリエーションも豊富で、ハート型やしずく型のペンダントのものや、ペットの名前や命日を刻印できるタイプもあります。

日常使いしやすい遺骨アクセサリーを選ぶとよいでしょう。

ペットの手元供養をはじめる際のポイント

ペットの手元供養をはじめる前に確認しておきたい2つのポイントを解説していきます。

  • 供養の目的を明確にする
  • ライフスタイルに合った形を選ぶ

供養の目的を明確にする

手元供養をはじめる前に、なぜ手元供養をしたいのかという目的を明確にすることが重要です。

大切なペットを失った直後は、深い悲しみに包まれていることが多く、気持ちの整理がつかないでしょう。

このような状態で供養の形を決めてしまうと、後悔する可能性があります。

自分の中でどのようにペットとの時間を振り返りたいのか、どのような形で思い出を残したいのかなど、自分の気持ちに向き合う時間を取ることが大切です。

さらに、目的をはっきりさせることで、いつまで手元供養を続けるかやその後どうするかといった将来の計画も立てやすくなります。

ライフスタイルに合った形を選ぶ

手元供養は形式にとらわれない自由なスタイルが魅力ですが、その分自分のライフスタイルに適しているかをしっかりと考えて選ぶことが重要です。

たとえば、仕事や趣味で外出が多い方であれば、自宅に仏壇を置いても日々供養する時間を取るのがむずかしいかもしれません。

このような方には、遺骨をおさめた遺骨ネックレスや遺骨ペンダントなど、身につけて持ち歩けるタイプの手元供養品がおすすめです。

ライフスタイルを基準にした選択が、結果的に自分らしい供養につながります。

まとめ:ペットを大切に思う気持ちを忘れずに適切な手元供養の方法を選択しましょう

ペットの手元供養は、大切な存在をいつまでも身近に感じながら、心の整理を助けてくれる方法です。

火葬後の遺骨を骨壺やアクセサリーなどにおさめ、日常生活の中で供養をすることで、ペットとの絆を深め続けられます。

手元供養の方法や手元供養品は多様で、自分に合った形を選ぶことが何より大切です。

家族や環境に合わせて、後悔のない供養の形を見つけましょう。